ピッキングバイトの仕事内容は?体験談からわかる仕事の流れ・向いている人の特徴

物流系アルバイトの中でも人気のあるピッキングバイト。
経験者からは人気がある一方で未経験者さんからはどんな仕事内容なのか分かりづらい仕事ではあります。

ピッキングって物流専門用語だからはじめてピッキングバイトをする人は作業のイメージが湧かないですよね。
この記事では現役派遣会社社員が監修をしてピッキングバイトの仕事内容を未経験者さんでもイメージしやすいようにわかりやすく解説します。
この記事を監修している人

ピッキングバイト経験も倉庫の現場管理者の経験もあります。間違いのない情報をお届けします。
ピッキングと聞いても実際にどんな作業をするのか想像しにくいですよね。

僕も初めてピッキングのバイトをした時にはどんな仕事内容なんだろうと少し不安でした。
初めてピッキングの仕事をする方に向けて図を使ってわかりやすく解説していきます。
具体的な作業内容
物流倉庫や工場の中で保管されている商品の中からリストで指定されたものを集めるお仕事です。

画像を使って手順をカンタンに説明します。
下のイラストは物流倉庫の中に棚が並んでいるイメージイラストです。

倉庫の中には沢山の棚が並んでいてそれぞれ棚番と言われるアルファベット(ロケーション)が決まっています。
下のイラストはピッキング作業で使うピッキングリストのサンプルです。

例として通販サイトで注文された日用品をピッキングします。
お客様からの注文内容にあわせてピッキングリストと呼ばれる指示書が作られます。このピッキングリストを元に倉庫内から必要な商品を正確な数量だけ集めてきます。

今回のピッキングリストの場合、
- Cの棚から洗濯用洗剤を2個
- Jの棚からティッシュペーパーを1個
- Mの棚からキャットフードを3個
上記をピッキングしてきます。
商品を間違えずに集めることと、棚から棚へ最短距離で移動することが求められる仕事です。
ピッキング作業が完了したら検品や梱包を行う次の工程へ商品を引き渡します。この一連の流れを当日出荷予定の商品を集め終わるまで繰り返し行います。
ピッキングの方法は3種類
ピッキングには商品の集め方が違う3つの方法があります。
最も基本的なピッキングの方法で1件の注文ごとに必要な商品を倉庫内で集めるやり方。多くの現場でおこなわれているピッキングの方法です。
複数のオーダーに対して必要な商品をまとめてピッキングして後から注文別に仕分けるやり方。商品種類が少ない現場でおこなわれていることが多い方法です。
複数のピッキングリストに対して同時に商品を集め、一度の移動で効率的に作業を進めるのがマルチオーダーピッキングでシングルピッキングとトータルピッキングのメリットを組み合わせたような方法です。

どの方式で業務を行うかは扱う品物の種類や出荷数によって物流倉庫で選択しています。
ピッキング作業で使用するツールを知ろう
ピッキング作業のミス防止と効率化のために現場では様々なツールが活用されています。ここではよく使われる代表的なツールを紹介します。

ハンディターミナル
倉庫内でバーコード管理されている商品をこの端末でスキャンしながらピッキングする事で出荷商品や出荷個数の間違いを防ぐことができるツール。
他にも先進的な物流倉庫だと
- ソーター
トータルピッキングした商品を自動で仕分けするコンベア - デジタルピッキングシステム
ピッキングする棚が光ってピッキングする場所を知らせるシステム - ボイスピッキングシステム
ヘッドセットから音声でピッキングする商品が伝えられるシステム
などの設備もあります。

私の勤務する派遣会社の取引先の9割近いピッキングの現場ではハンディターミナルが導入されています。間違った商品をピッキングしないように工夫がされています。
通販商品をあつかう物流倉庫でピッキングバイトする場合の1日の仕事の流れはこんなイメージです。
朝は朝礼に参加します。その日1日でピッキングする量や特別な作業指示があれば説明があります。
※けが防止のためラジオ体操をする現場もあります。
ピッキングリストが準備されピッキング作業がスタート。
その日勤務している方が全員で作業します。
15分ほどのトイレやタバコ休憩
現場のリーダーが作業進捗を伝えたりします。
休憩室等で休憩、自由時間になります。
通販商品を扱う倉庫では常にお客さんからの注文が入るので午後にはピッキングリストが追加されたりします。リストの残量を見て「残業かな?」なんて声も出る時間です。
15分ほどのトイレやタバコ休憩
当日出荷のピッキング作業進捗が良いと検品や梱包作業のサポートに入ることも。
作業進捗が悪ければ倉庫の社員さんに「残業できますか?」なんて聞かれたりします。
片付け、掃除、翌日の準備をして作業終了です。
24時間運営の倉庫だと遅番の方が出社してくるので残りのピッキングリストを引継ぎます。

作業の進み具合で別の作業を手伝うこともありますよ。
ピッキングバイトで特に気になる以下の4点
- 時給相場
- 働いている方の年齢層
- 働く時の服装
- シフトや繁忙期

どんな人がどんなスタイルで働いているのか解説します。
時給相場
ピッキングバイトの全国的な平均時給相場は派遣で1,315円、パート・アルバイトで1,152円となっています。
ピッキングの仕事の平均年収は約429万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。月給で換算すると36万円、初任給は21万円程度が相場のようで、派遣社員やアルバイト・パートでは平均時給がそれぞれ1,315円、1,152円となっています。
ピッキングバイトの時給は作業負荷により決まることが多いので地域+扱う商品+作業環境で見ていくと良いでしょう。

派遣の時給がパート・アルバイトより高いのは派遣の法律で作業ごとに最低賃金が決められているためです。
当サイトが調べた実態調査で回答してもらった時給分布はこちらでした。

平均値も中央値も約1100円なので全国平均と水準が一緒でした。
年齢層
ピッキングバイトでは特別なスキルや資格、経験が必要ないので10代、20代のバイトデビューの方や30代、40代の主婦パートの方、体力に自信のあるシニア世代まで幅広い年齢層の方が活躍してます。
当サイトが調べた年齢分布はこちらでした。

20代の層が多い傾向がありました。

実態僕がバイトしている倉庫も20代30代の方が大半ですよ!
服装
ピッキングバイトでは接客や顧客対応がないので自由な服装で働けることが多いです。
とはいえ仕事なので肌の露出が少なめのパンツスタイルで勤務する方がほとんどです。

安全ベストや安全靴を着用する倉庫もあります。

シフトと繁忙期
ピッキングバイトは自分の都合に合わせて自由度の高いシフトで勤務している方が多いのが特徴です。
物流倉庫は取り扱っている商品の都合、早朝から深夜まで稼働していることが多い。

自分の希望にあわせて短時間からフルタイムまで選べることができる倉庫が多いです!
また繁忙期には短期アルバイトの募集や時給がアップする事が多く比較的残業も多めになるのでサクッと稼ぎたい方は繁忙期を狙い勤務するのも1つの方法。

繁忙期には色々な倉庫で人の取り合いになるぐらい忙しくなることもあります。派遣会社では調整が大変です。
倉庫作業、特にピッキングの仕事は、夏休みや冬休み期間中などの繁忙期に大人数募集する場合もある。そういった時期は、繁忙期手当として普段より500円ほど高い時給で働けることもあり、効率よく稼げることがポイントが高かった。

クラウドワークスで調査した男女30件の体験談を分析してピッキングバイトで働くメリットをまとめてみました。

今回の実態調査でわかったピッキングバイトで働くメリットは
- シフトが柔軟であること
- 働きやすいこと
- 稼げること
上記3つが特に多いことがわかりました。

メリットについて1つずつ解説していきます。
シフトが自由で柔軟な働き方に対応できる
ピッキングバイトのメリットで一番多かったのはシフトが自由なことでした。
私は派遣サイトを通じて仕事を探しましたが、シフトの自由度が高く、他サイトよりも現場の情報が分かりやすかったです。

シフトの融通が利きやすく、担当者のフォローも細かかった。

ライフスタイルに合わせた働き方を実現できたりスキマ時間を有効活用できる働き方ができるのがピッキングバイトの魅力です。
他人を気にせず働ける
わずらわしい人間関係を気にせず働けるのもメリットです。
人間関係のストレスがなく、黙々と作業できるのが良かったです。

人間関係もほかの業種のバイトと比べるとあまりないので、一人が好きな方もおすすめです。

基本的に1人で黙々と進める仕事が中心なので自分のペースで目の前の単純作業に集中したい人や他人を気にせず働きたい人には魅力的な作業環境です。
高時給案件が豊富で稼げる
繁忙期や深夜時間帯などの条件を選べば高い時給で働くことができます。
繁忙期手当として普段より500円ほど高い時給で働けることもあり、効率よく稼げることがポイントが高かった。

夜勤帯や繁忙期は時給が高めに設定され、深夜手当を含めると1,400円を超えることもありました。

クラウドワークスで調査した男女30件の体験談を分析してピッキングバイトで働くデメリットをまとめてみました。

今回の実態調査での体験談を分析するとピッキングバイトで働くデメリットは
- 体力的負担
- 現場環境
- 労働時間
上記3つが特に多いことがわかりました。

これがピッキングバイトはきついと言われる理由ですね。
体力的な負担が大きい
運動不足が解消できるという意見がある一方で体力に自信のない方にはつらい部分も。
特に辛かったのはやはり長時間立ちっぱなしで作業を強いられるところですね。

作業はシンプルですが、体力が必要なので運動不足の人には少しきついかもしれません。

基本が立ち仕事になるので足への負担が結構あります。動きやすい運動靴をはくなどの工夫をして少しでも負担を軽減しましょう。
現場によっては環境に難あり
物流倉庫は空調が完備されていても暑さ寒さが完全に緩和されることはないようです。
エアコンや扇風機があっても、夏は、暑いし、冬は、寒い

夏場は倉庫内がとても暑く、水分補給をしていても体力を消耗することが辛かった。


冷凍冷蔵の倉庫もその特性から低温の室内で作業することになるので防寒対策が必要です。
時期により残業が多く労働時間が長い
物流倉庫では取り扱ってい商品が大手ECサイトの商品だったりするとセール時などに繁忙期を迎え通常より労働時間が長くなることがあります。
特に繁忙期は大量の商品を扱うため、残業も多く足腰に大きな負担がかかりました。

また働いている時間は同じでも単純作業なので時間が過ぎるのが遅いという口コミも
単純作業なので時間の流れが遅く感じることもあり、集中力を保つのが難しいときもありました。

倉庫現場で働く経験者の体験談。著者の現場経験。派遣社員から見てピッキングバイトに向いている人の特徴を紹介します。
繰り返しの単純作業が好きな人
次々と新しい事を覚えるのが苦手だったり決められたルーティン作業が好きな人はピッキングバイトに向いています。

同じ作業が何度も続いても飽きないという方が多く働いています。
1人でもくもくと働くのが好きな人
ピッキングのお仕事は1人で完結する業務が多くもくもくと集中してお仕事するのが好きな方に向いています。

最低限のコミュニケーションは必要なのですが、ある程度自分のペースで働けるのもよいですね。
ピッキングのバイトは単純作業ですが、コツコツ働きたい人には向いていると感じました。

仕事に自分なりの工夫をしながら楽しめる人
単純作業の繰り返しになるピッキングバイトでは単純作業の中でも自分なりに楽しみを見つけて工夫ができる人に向いています。
- どうすれば倉庫内の移動時間を短縮できるか?
- どの順番で商品をピッキングするのが効率的か?

みんなゲーム感覚で作業の効率化を楽しんでいます。
ゲーム感覚で仕事ができる人にはおすすめできる仕事だなと感じています。


ピッキングバイトで勤務する方のリアル
私の勤務する派遣会社では数多くピッキングのお仕事をスタッフさんへご紹介しています。

実際に現場管理者としてピッキングの現場に常駐した経験のある私が思うピッキングバイトの実情をお伝えします。
最低限のコミュニケーション能力が必要
ピッキング作業は確かに1人でもくもくと作業をするお仕事なのでコミュニケーションを取ることが最低限で済みますが、ピッキングを含む物流倉庫のお仕事となると条件は変わってきます。
接客や電話応対のようなコミュニケーション能力は必要ありませんが業務上の会話、例えば「〇〇の商品はどこにおいてあったっけ?」といったような作業に関わるコミュニケーションは最低限発生します。

物流倉庫には会話することが苦手な方が多いのは事実です。現場の方もその点、ある程度考慮して会話してくれますので必要最低限のコミュニケーションで大丈夫です。
ですが全く無言で終わるということはないので注意が必要です。
現場環境はかなり改善されている
私が初めて物流倉庫でお仕事をした28年前と比べると倉庫内の設備や環境は劇的に改善されています。
- 猛暑の影響で冷暖房完備の倉庫が増えた。
- 倉庫に併設してコンビニやカフェがあることも。
- シャワーやラウンジを完備した倉庫も一部あり。

冷房の効きづらい倉庫の屋根に外気温を遮断する塗料を施行している倉庫もあります。倉庫も労働環境に力を入れていますよ!
また体力面でも労働者に負担がないように以下のような工夫がされています
- ピッキング時の歩行距離を減らすために棚が動く倉庫
⇒amazonの倉庫で導入され話題になりました。 - 商品を運ぶ台車の計量化
- 床に疲労軽減マットが敷かれた作業スペース
このような労働者をいたわるアイテムは毎年多く開発され様々な物流倉庫に取り入れられています。
ピッキングバイトは女性にも人気
倉庫バイトなのでなんとなく男性の仕事と思っている方は多いと思いますが、実際の現場では女性が活躍しています。

ピッキングバイトを希望する女性の数はかなり多いです。
実際に実態調査でも女性の回答率は50%の15人でした。
女性からも注目されているバイト。たくさん歩くからこそダイエット効果を期待しているバイトの人も多いです。
お金を支払ってジムに行くことを考えたら、こちらはお金を頂いて体を鍛えられたりダイエットになるので、そいういう考え方が出来る人にピッタリだと思います。


ピッキングバイトで実際に働いたことのある方の口コミを良い口コミ、悪い口コミに分けて紹介していきます。
ピッキングの仕事自体は、Amazonの物流倉庫だったので広い倉庫をひたすら歩き回るので体力的にきつかったですが、人間関係のストレスがなく、黙々と作業できるのが良かったです。頭を使わずに体を動かして稼ぎたい学生さんにはおすすめできる仕事だと思います。時給も比較的高めなのが魅力でした。

フルキャスト経由でピッキングの仕事に入りました。作業は単純ですが、慣れると黙々とこなせるので気楽でした。

夜勤帯や繁忙期は時給が高めに設定され、深夜手当を含めると1,400円を超えることもありました。単純作業の割には安定した収入になり、特に短期間で稼ぎたいときには効率の良い仕事だと感じました。交通費が出る現場もあり助かりました。

コツコツした仕事が好きな人には向いていると思いました。
私が行ったピッキング作業は、ワインバザールで開催される際に予約している顧客のピッキング作業でした。台車に注文リストに載っている数のワインをピッキング・梱包して運ぶのが楽しかったです。
モクモク作業だけど、意外と体力もいるので運動不足の私にとっては良い運動になりました。内向型の人におすすめしたい仕事です。

仕事は倉庫での作業だったので、冬はとても寒くて、コートを着ながら仕事をしないといけなかったのが辛かったです。

特に辛かったのはやはり長時間立ちっぱなしで作業を強いられるところですね。大体2時間置きに休憩が入るのですが、それでも段々キツくなってきます。体力にある程度自信がある人の方がピッキング作業は向いているかもしれません。

私としてはあまりおすすめできない仕事でした。まず、倉庫の中は基本的に外光が入らず、朝か夜かの感覚を失いやすい環境です。そのため、時間の流れがつかみにくく、働いていてとても長く感じます。さらに仕事内容は単純作業の繰り返しで変化が少ないため、集中力を保つのが難しく、1時間が数倍に感じられるほど退屈でした。精神的にしんどかったです。体への負担は少なくても、精神的な辛さを考えると人にはあまり勧められません。

ピッキングバイトは立ち仕事なので体力が必要で、働き始めは足が辛くて大変でした。さらに、指示された商品をピッキングしてくる正確さを求められ、スピードも必要になってくるので、できるようになればゲーム感覚で楽しくなってくるのですが、始めた頃は辛いことが多かったです。

ピッキングバイトは初めてアルバイトをする方やシフトフリーでスキマ時間を有効活用したい方におすすめできるお仕事です。

実際の現場ではいろんな人が黙々と作業をしています。
作業内容を細かく解説しましたが単純作業をつまらない仕事と解釈してしまう人にとってはきつい仕事なのかなと思いました。

メリット・デメリットを見てもつらい・きついポイントは本当に人それぞれですね。
自分なりの楽しみ方をみつけてぜひピッキングバイトにチャレンジしてみてください。